個人年金保険料を一時払いした時のメリットとお金を増やすポイント

個人年金保険料はまとめて支払うことができます。一時払いすることで保険料を抑えることも可能です。そこで今回は一時払いすることのメリットなどについて紹介します。
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保険料の支払い方法は月払いだけでなく、一度の保険料を支払うことができる一時払いの方法など支払い方法が複数あります。支払い方法ごとにメリットやデメリットがあります。今回は一時払いを中心に支払い方法ごとの特徴やお金を増やすためのポイントを紹介します。

1:個人年金保険料の支払い方法による違いとは

個人保険料の支払い方法は毎月保険料を支払う月払いから、一度にまとめて保険料を支払う一時払いまで支払い方法がいくつかあります。支払い方法は契約時に決めることができます。そのため経済状況やライフスタイルに合わせて支払い方法を決めるといいでしょう。

1-1:毎月コツコツ積み立てていく月払い

毎月の保険料を指定口座からの引き落としや、クレジットカードで支払う方法が月払いです。保険料の支払い方法としては、最も一般的です。月払いなら保険料を毎月支払うことができるので、まとまったお金がなくても個人年金保険に加入することができます。

1-2:半年に一度保険料を支払う半年払い、半年一括払い

半年払いは半年に1度保険料を支払う方法です。半年に一度保険料を支払う方法には、半年払いと、半年一括払いの2種類の方法があります。半年払いと半年一括払いは同じものだと思っている方も多いかもしれませんが、実は別物です。保険料を支払ってから次の保険料を支払うまでの間に途中で解約した場合、半年払いは未経過分の保険料は戻りません。しかし半年一括払いの場合は未経過分の保険料が返金されます。月払いに比べると総額の保険料を安く抑えることができます。毎年決まって時期にボーナスが支給される方は、半年払いは半年一括払いを選ぶのもいいでしょう。

1-3:一年に一度保険料を支払う年払い

年払いは一年に一度保険料を支払う方法です。年払いも半年払いと同じように、年払いと年一括払いの2つの方法があります。年払いで保険料を支払っている場合、途中解約してしまうと保険料は戻りません。しかし年一括払いの場合は未経過分の保険料は戻ってきます。一回に支払う保険料は高くなりますが、その分月払いや半年払いに比べて保険料を抑えることができます。

1-4:保険料を安く抑えることができる一時払い

保険料を一度にまとめて支払う方法が一時払いです。個人年金保険や終身保険など貯蓄性の高い保険に加入する場合に、一時払いの方法を選ぶ人が多いです。保険料の支払いが1回で済むので、保険料の支払い方法の中では一番保険料を安く抑えることができます。

1-5:保険料を抑えながら節税できる全期前納

全期前納は一時払いと同じく、保険料を一度のまとめて支払う方法です。全期前納の場合支払った保険料は生命保険会社で一旦預かるかたちになります。全期前納の場合は契約者から預かった保険料を保険会社が期日になったら支払う形を取るため、途中で解約したとしても未経過分の保険料は全て戻ってきます。毎年保険料を支払った扱いになるため、毎年生命保険料控除を受けることが可能です。

2:個人年金保険料を一時払いするメリットとデメリット

保険料を安く抑えることができるので、一時払いで保険料を支払いたいと思う方も多いのではないでしょうか。そこで次は一時払いで保険料を支払うメリットとデメリットを紹介します。

2-1:個人年金保険料を一時払いするメリット

まとまったお金があれば一度にまとめて全ての保険料を支払うのもいいでしょう。保険料を一時払いのメリットは下記の通りです。

2-1-1:保険料を安く抑えることがきる

一時払いは他の支払い方法を比べると保険料の支払い回数が少ないため、保険料を一番抑えることができます。

2-1-2:短期間でお金を増やすことができる

一時払いの場合は支払った保険料の全てが、すぐに保険会社で運用されます。そのため同じように保険料を一度に支払う全期前納と比べて、短期間でお金を増やしていくことが可能です。

2-1-3:途中解約時の元本割れのリスクを軽減できる

まとまったお金が急に必要になった場合、途中解約を考えてしまうこともあるかもしれません。基本的に一時払いの場合保険料を支払って据置期間を過ぎてしまえば、途中で解約したとしても元本が割れてしまうことは少ないでしょう。一方で月払いなど保険料を複数回に分けて支払う方法の場合、保険料が払えなくなってしまい解約してしまうと支払った保険料よりも解約返戻金が少なくなってしまいます。

2-2:個人年金保険料を一時払いするデメリット

保険料をまとめて支払うことで保険料を安く抑えることができる反面、デメリットがあります。個人年金保険料を一時払いすることのデメリットは下記の通りです。

2-2-1:節税効果が小さくなる

一時払いの場合、生命保険料控除の対象になるのは保険料を支払った年のみです。一時払いの場合は保険料を支払った年だけ控除証明書が発行され、支払った保険料の全額が控除の対象です。月払いや年払い、全期前納で保険料を支払う場合は、保険料を支払った年は毎年生命保険料控除を受けることができます。つまり全期前納で保険料と支払う場合は毎年保険料に充当した金額が控除の対象になるため、生命保険会社から控除証明書が発行されます。ちなみに個人年金保険料控除の上限は4万円です。保険料は長い期間払い続けるため、総額で考えると大きな金額になる可能性があります。ただし個人年金保険の場合、下記の税制適格特約の要件を満たしていないと、控除の対象にならないため、加入時に確認するようにしてください。

税制適格特約の要件

  • 年金の受取人が契約者もしくは配偶者
  • 年金受取人と被保険者が同じ
  • 保険料の払込み期間が10年以上
  • 確定年金なら、60歳以降に受け取りかスタートし、年金の受け取り期間が10年以上ある

2-2-2:保険会社が破産してしまった場合に元本割れの恐れがある

保険会社が破産時に、破産してしまった会社の受け皿になる救済会社が現れれば、その救済会社が保険契約を引き継ぎます。たとえ救済会社が現れなかったとしても、生命保険契約者保護機構の契約を引き継ぎます。生命保険会社が破産してしまった場合、保険契約がなくなってしまうことはありませんが、予定利率が引き下げられてしまうことで返戻率が下がってしまう可能性があります。つまり契約途中で保険会社が破産し返戻率が下がることで、当初の予定よりも年金額が少なくなることで、元本割れをしてしまう恐れがあります。一時払いの場合は保険料を支払った時点では保険料は全て払い済みの扱いになってします。そのため破産した時点で解約した場合は、解約返戻金も目減りし元本割れしてしまう可能性が高いです。

3:個人年金保険の種類別の特徴

個人年金保険料は大きく分けて定額型、変額型、外貨建てと3つの種類があります。次にそれぞれの保険の特徴と一時払いをする時に注意したいポイントなどを一緒に確認しましょう。

3-1:年金額が決まっている定額型

契約時に年金額が決まっているものが定額型です。定額型の個人年金保険料の多くは支払い方法を一時払いにすることが可能です。月払いに比べると解約返戻金が払込み保険料を超えるのが早いため、万が一解約してしまったとしても、元本割れしてしまうリスクを抑えることが可能です。一時払い個人年金保険の場合、契約者から支払われた保険料を生命保険会社が運用します。生命保険会社は、保険料を運用することで年金の原資を増やすため、あらかじめ一定の据置期間を定めています。据置期間は保険会社によって5年から20年までさまざまあります。基本的に据置期間後でなければ年金を受け取ることができないため、加入時に必ず確認するようにしましょう。

3-2:年金額が決まっていない変額型

変額型の個人年金保険は契約者は保険料の運用先は決めるため、運用実績によって将来の年金額が変動します。この点はどの支払い方法を選んでも変りません。一時払いの場合保険料をまとめて支払うため、保険会社はまとまったお金を一度に運用することができます。それにより運用が上手くいけば早くお金を増やすことが可能です。ただい途中で解約してしまった場合の解約返戻金は、その時点での運用実績に左右されるため、運用実績によっては元本割れしてしまう恐れがあります。

3-3:為替相場の影響を受ける外貨建て

外貨建ての場合日本円ではなく米ドル、豪ドル、ユーロで保険料を支払い、年金を受け取ります。そのため保険料の支払い時点や年金の受取り時点の為替相場の影響を受けます。月払いの場合は保険料の額は小さいですが、一時払いの場合は保険料が100万円単位になるため為替相場の影響が大きくなってしまいます。円安の時に保険料を支払い、円高の時に年金を受け取ってしまうと、せっかく予定利率が高くても元本割れしてしまう恐れがあります。このような事態になってしまわないようにするために外貨建ての個人年金保険の保険料を一時払いで支払う場合は、円高の時に狙って支払うようにしましょう。

4:一時払い個人年金保険でよりお金を増やすための4つのポイント

せっかくまとまったお金を使って個人年金保険に加入するなら、少しでも将来受け取る年金額を増やしたいですよね。次は年金額を増やすポイントを紹介します。

4-1:なるべく若い時に始める

保険会社にできるだけ長くお金を預けることがお金を増やすポイントです。そのためお金に余裕があればなるべく若い時から始めた方がお金を増やすことが可能です。同じ年金額を受け取る場合、30代から始めるよりも、20代で始めた方が少ない保険料で済みます。

4-2:据置期間を長くとる

保険料を払込みした後の据置期間を長く取るほど、受け取る年金額の総額が増えます。一時払い個人年金保険の場合はあらかじめ据置期間が決まっています。据置期間が長いものほど、将来の年金額が高く設定されています。据置期間は契約変更で長くすることができるため、もし将来年金を受け取る時点で経済的に余裕があれば据置期間を長くするのもいいでしょう。ただし据置期間は5年、10年、15年、20年と5年単位で定められているので変更時は注意してください。

4-3:貯蓄性の高い商品を選ぶ

お金を増やすためには貯蓄性の高い個人年金保険を選ぶことがポイントです。返戻率を見ることで貯蓄性を確認することができます。返戻率は年金原資÷払込保険料の総額=100で計算した場合に100を超えるほど貯蓄性が高いです。年金原資は商品によっては年金一括受取額、年金基金と呼ばれ、据置期間後の将来受け取る年金額の元手となる資金のことです。ただし変額保険の場合、年金原資は確定していないため貯蓄性を確認することができません。また外貨建ての場合外貨ベースでの年金原資は確定していますが、年金を受け取る時点での為替相場が分からないため、実質的どのくらい貯蓄性があるかは確認することができません。

4-4:年金の受取り期間を長くする

お金を保険会社に預けておく期間が長くなるほど、お金が増えます。そのため年金を一時払いで受け取るよりも、年金として受け取る方が年金額の総額が増えます。同じく年金の受け取り期間が5年よりも10年と長くした方が年金額の総額は増えます。もし年金を受け取る時点で経済的に余裕があれば、年金の受取り方法も変更するのもいいでしょう。

5:まとめ

保険料を一時払いすることで、総額の保険料を抑えることができます。また20代や30代の若い時期からスタートすれば、少ないお金でもしっかり年金を準備することできます。もしまとまったお金があるのであれば、保険料の支払い方法を月払いではなく一時払いで保険料を支払うのもおすすめです。商品によって一時払いができるものとできないものがあるため、個人年金保険の加入を検討する場合は支払い方法も含めてしっかり相談するといいでしょう。

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