死亡保険には終身保険、定期保険、収入保障保険の3つの種類があります。どの保険を選ぶべきは、必要保障額によって変わります。必要保障額は家族構成やライフスタイルによって大きく左右されます。そこで今回は必要保障額に合わせた死亡保険の選び方を紹介します。
1.死亡保険とは
保険と聞いているまず思い浮かぶのが、万が一の時の経済的リスクに備えることができる死亡保険ではないでしょうか。そこで今回死亡保険の特徴や、目的などについて紹介します。
1-1.死亡保険と生命保険の違い
死亡保険は死亡に関する経済的リスクに備える保険です。一方生命保険は人間の生死による経済的リスクに備える保険です。死亡保険は生命保険とほぼ同じものだと考えて問題ありません。
1-2:死亡保険に関する意識
生命保険文化センターが毎年実施している「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」によると、個人年金保険を含む生命保険の世帯加入率は88.7%と前回とほぼ同水準でした。また世帯の普通死亡保険金額の平均は2,255万円で引き続き減少傾向です。また30代を中心に個人年金を含む生命保険に加入したい、余裕があれば加入をしたいと考えている世帯が多いことが分かりました。この結果から結婚や妊娠出産を機に死亡保険への加入を考えている人が多いことが推測できます。
1-3.死亡保険の加入の目的
死亡保険は被保険者が亡くなってしまった時に残された遺族に対して死亡保険金が支払われます。そのため死亡保険の加入の主な目的は、残された遺族の生活費を確保することと、お葬式など死亡整理費用を準備することです。そこで次はどのくらい準備しておく必要があるのか具体的に紹介します。
1-3-1.残された遺族の生活費の場合
世帯主など扶養家族がいる場合は残された家族のために生活費を残しておく必要があります。もし世帯主のご主人が亡くなった場合、残された遺族は遺族年金を受け取りことができます。ただし一般的に遺族年金だけでは、今までと同じ生活を維持することが難しいため、遺族年金では足りない分を賄うために、死亡保険に加入します。この時に必要に金額は家族構成などのよって左右されます。一般的には数千万円になることが多いので、定期保険や収入保障保険で準備するのがベストです。もし自分たち家族にはどのくらいの保障が必要なのか知りたい場合は、専門家に試算してもらうといいでしょう。
1-3-2.お葬式費用など死亡整理費用の場合
独身者でも既婚者でも必要な費用がお葬式などの死亡整理費用です。死亡整理費用の内訳は下記の通りです。
- お葬式費用
- お墓の費用
- 病院で亡くなった場合は入院費用
- 遺品整理費用
一般的には200万円から300万円くらい準備しておけば十分だと言われています。そのためこれらの費用は終身保険を使って準備する場合が多いです。
2.終身保険の特徴とメリットデメリット
終身保険は被保険者が亡くなった時に保険金が支払われるため、死亡保険の一種です。そこで次は終身保険の特徴やほかの死亡保険と比べた場合のメリットデメリットについて紹介します。
2-1.終身保険の特徴
終身保険は保障が一生涯続くため、途中で解約しない限り必ず保険金を受け取ることが可能です。また解約した場合に解約返戻金を受け取ることができるため、お金を貯めることができる保険と言われています。このような理由から終身保険は死亡保障ではなく、貯蓄目的で加入する人が多いのも終身保険の特徴です。
2-2.終身保険メリット
ほかの死亡保険と比べて一番のメリットは保障一生涯続くことです。そのため確実に遺族にお金を残すことができます。また死亡するリスクの低い20代に加入しておけば保険料を安く抑えることができ、契約時から保険料が上がることがありません。それだけでなく一定期間を過ぎると解約時の解約返戻金が払込保険料の総額を超えるため、保障と貯蓄両方することも終身保険のメリットの一つと言えます。
2-3.終身保険のデメリット
終身保険のデメリットはほかの死亡保険に比べ、保険料がかなり割高になってしまうことです。終身保険は解約時に解約返戻金が支払われるため、定期保険や収入保障保険に比べると保険料が高額になってしまいます。また毎月の保険料が支払いが困難になってしまい、早期に解約してしまうと元本割れしてしまう可能性が高いです。
3.定期保険の特徴とメリットデメリット
定期保険も終身保険と同じく被保険者が亡くなった時に保険金が支払われます。そこで次は定期保険の特徴やほかの死亡保険と比べた場合のメリットとデメリットについて紹介します。
3-1.定期保険の特徴
定期保険の特徴は契約期間が決まっていることです。定期保険は10年、20年と期間を決めるか、被保険者が60歳までというように契約期間をあらかじめ決めます。そのためもし契約期間内に被保険者が亡くならなかった場合、保険金を受け取ることができません。また養老保険のように契約満了日に満期保険金が支払われることがないため、一般的に掛け捨て保険と言われています。定期保険は終身保険とは異なり、解約時に解約返戻金がない、もしくはごく僅かなのでその分保険料が安く設定されてます。このような特徴から死亡保障を手厚くしておきたい時期だけ加入する人多いです。
3-2.定期保険のメリット
定期保険は解約返戻金や満期保険金がないため、保険料が安くです。そのため数千万円単位の保険金を準備しようと思った時でも、月々の保険料を加入時の年齢や健康状態によってはかなり安く抑えることが可能です。
3-3.定期保険のデメリット
定期保険は契約期間が満了後に同じ保障内容で更新すると、更新時の年齢で保険料の計算が行われるため保険料が高くなってしまいます。また健康状態によっては同じ内容で更新できないケースがあります。そのため定期保険に加入する時は、更新せずに済むように契約期間を確認して加入するようにしましょう。
4.収入保障保険の特徴とメリットデメリット
収入保障保険は定期保険の一つで、残された家族の生活費の準備が目的の保険です。最近は定期保険よりも毎月の保険料を抑えることができるため、収入保障保険に加入する人が増えています。そこで次は収入保障保険の特徴や他の死亡保険と比べた場合のメリットやデメリットについて紹介します。
4-1.収入保障保険の特徴
収入保障保険は被保険者が亡くなった場合に、残された遺族は生活費用として保険金が月々定額で支払われる保険です。定期保険の場合契約期間内であればいつ亡くなってとしても、支払われる保険金金額が変わらないため四角の保険と呼ばれています。一方で収入保障保険は被保険者の死亡時期が契約期間の終わりに近づくにつれて、保険金額が少なくなるため三角の保険と呼ばれています。
4-2.収入保障保険とメリット
収入保障保険は定期保険や終身保険に比べると、保険料を安く抑えることが可能です。また契約期間を被保険者が定年を迎える60歳や65歳までと長く設定することができるため、必要な保障を必要な期間だけ効率的に準備することができます。
4-3.収入保障保険のデメリット
収入保障保険は保険金をまとめて受け取るのでなく、月々定額を受け取るため、被保険者が亡くなった時にまとまったお金が必要な場合は別途準備する必要があります。また定期保険と同じく掛け捨て保険のため契約期間後に被保険者が亡くなった場合、保険金を受け取れません。また解約返戻金や満期保険金もありません。
5.ライフステージ別の必要保障額と死亡保険の選び方
独身者かもしくは既婚者かによって死亡保険の必要保障額が違います。また既婚者の場合でも子供がいるかどうかによっても必要保障額が差が出ます。そのため死亡保険を選ぶ場合、必要保障額に合わせて、死亡保険選びましょう。そこで次はライフステージ別の必要保障額とそれに合わせた死亡保険の選び方を紹介します
5-1.独身の場合
独身の場合扶養家族がいないため、自分が亡くなった時に両親や兄弟などの経済的に負担をかけないようにするために死亡整理金を準備しておくといいでしょう。いつ亡くなるかは分からないので、できれば終身保険で準備しておくといいでしょう。
5-2.既婚者の場合
既婚者の場合子供がいるか、いないか。もしくは子供の年齢によって必要保障額が変わります。そこでそれぞれの状況に合わせた必要保障額の考え方や死亡保険の選び方を紹介します。
5-2-1.子供がいない場合
子供がなく共働きの場合は独身の場合と同じく、基本的には死亡準備金のみ死亡保険で準備しておけばいいでしょう。もし配偶者が仕事をしていない場合は、生活費も死亡保険で準備しておく必要があります。そのため死亡整理を終身保険で、生活費を準備する必要があればその期間でけ定期保険や収入保障保険で準備するといいでしょう。
5-2-2.子供がいる場合
子供がいる場合、生活費以外に教育費を準備する必要が出てくるため子供が小さく、人数が多いほど必要保障額が大きくなります。そのため死亡準備金を終身保険で、生活費や教育費は定期保険や収入保障保険で準備するといいでしょう。
6.死亡保険の保険料を抑えるための3つのポイント
定期保険や収入保障保険は掛け捨ての保険のため、出来るだけ保険料を抑えたいです。そこで次は保険料を少しでも安くするために押さえておきたいポイントについて紹介します。
6-1.保険料の支払い回数を少なくする
死亡保険に関わらず、保険料の支払い回数が少ないほど保険料の総額を安くなります。そのため月払いではなく可能であれば、半年払いや年払いにするようにしましょう。死亡保険の保険料は生命保険料控除の対象です。そのため毎年年末調整や確定申告の時に忘れずに生命保険料控除の手続きをしましょう。
6-2.健康なうちに加入する
契約時に保険会社が定める優良体の要件を満たせば、優良体割引の対象になるため、保険料を安く抑えることが可能です。優良体の基準は保険会社によって異なります。一般的にはBMIが適正値であること、特定の疾病の既往症がないことや血圧や血液検査で問題がないなどの要件が設けられています。基準や割引率などは保険会社によって異なるため加入時に該当するかどうか確認しましょう。
6-3.禁煙する
優良体割引と同じく、喫煙者よりも非喫煙者の保険料を割引なるケースがあります。非喫煙者かどうかは1年または2年以上喫煙していない場合対象になります。非喫煙者割引のある保険に加入する場合、契約時にコチニン検査によって非喫煙者がどうか判定します。そのためタバコを吸わない人でも受動喫煙によって、コチニン検査に喫煙者と判断された場合は非喫煙者割引の対象外です。優良体割引と非喫煙者割引きが併用されるため、優良体で非喫煙者の場合保険料をかなり抑えることが可能です。
7.まとめ
死亡保険には終身保険、定期保険、収入保障保険はと3つの種類があります。どの保険を選ぶべきかは、必要保障金額によって変わります。必要保障金額が年齢や家族構成、ライフステージによって異なるため、まずは専門家にどのくらいの保障が必要か試算してもらいましょう。